先日こんなことがありました。
ちょっとした故障で得意先の社長さんの車に
車両診断機『G-SCAN』を接続し
軽いトラブルをクリヤしました。
すると社長さんが
「その機械、診断機って言うんやろ。ついでに車の不具合も全部探してや。」
とこんな感じの話になったんです。
車載OBD2診断ツールと呼ばれる機械なら
恐らく一般の方はボタン操作一つで
『 車の不具合をスグに発見できる! 』そんな印象があったのでしょう。
私のブログでも (
OBD2スキャンツールは車両診断機) と記載しているし、
整備業界でも同じような呼び方をしています。
ですがこのスキャンツール呼ばれる機械は、
正確に言うと自動車の故障診断まで出来る機械ではないんですよね・・・。
(むしろ車両診断機って呼び名自体が違うんじゃないの?と思っています。)
そこで今回のテーマは 《 スキャンツールって何? 》 でいきますね。
インターサポート社 『G-SCAN』 オール機能バージョン
自己診断モード
作業サポートモード
アクティブテストモード
ライブデータモード
その他諸々 (ODB2)
(国産車中心の弊社には今のところはベスト機かと。)
(機能補填できるサブ機を探しています。)
自己診断モードは
車両側のコンピューター(ECU)に元々ある
自己診断機能のコード番号を読み取る事が出来るんですね。
車自体が『ここら辺りがなんかおかしいよ!』と発する声を
コード番号として見れるだけ。
上記の(C1246)の場合
ブレーキペダルのスイッチ or その配線関係、もしくはそれ以外にも不具合の可能性有り。
あくまでも可能性なので、整備士が配線図を見ながら
怪しい部分を順番に調べていきます。
(ボディ系統の故障コードで、エンジンが掛からないなど複雑なシステムもあるので大変です。)
これはスキャンツール自体が診断した訳ではないですよね。
作業サポート機能とアクティブテストは
簡単に言えばスキャンツールの操作で自動車のECUに指示を出し
各部分を動かしたり、初期設定したりする機能。
これも
自動車診断機能ではなく、診断のお助け機能かな。
最後のデータモニター機能
ECUが集めた情報数値と演算した結果の指示信号の数値を
リアルタイムで見れる機能です。
(場合によってはエラーコードが発生した時の過去データも呼び出すことも出来ます。 )
これも数値が見れるだけで故障箇所を指示してくれる訳ではないんですね~。
ここまで書けばお分かり頂けたと思いますが
結局スキャンツール(通称 診断機)はあくまでも
自動車のECUの中にあるデータを見たり、操作したりする道具です。
それらの得られた情報から故障箇所を
最終判定するのは全て整備士側にあるのですね。
近年の自動車故障診断は
優れたスキャンツールが当然必要です。
整備士側の能力もさらに重要で
得られた情報から故障箇所を
理解(想像)が出来なければ 直す事は難しいでしょう。
今の民間自動車整備業界最大のテーマは
『スキャンツールの普及』 だそうです。
(噂ではもうスグお国から購入補助金も出るそうですよ。)
持っていないから直さず外注。
持っていてもデータが理解出来なければ直せない。
(診断できる所と出来ない所の二極化が進むでしょうね)
高度化する自動車故障診断
だんだん難しくなっていきます。
私自身も日々勉強中・・・。
終わりは無いでしょう。